代表あいさつ

有限会社イチカワ北海食品 代表取締役 市川 和良

ウニの仕事に携わってからあっという間に40年以上が経過しました。

その間、色々な事にチャレンジしましたがことごとく撤退。その都度借金が増えてきましたがウニの仕事だけは飛ばず落ちずに辛うじてここまでやってきました。私に与えられた天職だと感謝しております。またウニを始めた当初から利尻に縁をいただき、多くの協力者を得て雨の日も風の日も笑ったり沈んだりしながら『利尻産』を続けることができました。

そのおかげか最近『赤利尻』『白利尻』『黒利尻』という当社の「利尻産ウニ」のブランドが一人歩きし始め、自分達の知らないところで良い評価をいただいているということを耳にします。

1年通して目立たない地味な仕事だと思っておりましたが、こんなに当社のウニに喜んでくださる人が多くいらっしゃったことに驚きを隠せずにいます。改めて我が人生を振り返り、このウニの道を歩んできたことが嬉しくなってきた今日この頃でございます。

やはり喜んでいただけたことを知ることでより一層、感謝の念が沸いてくるものです。ウニという天の恵・人のつながりという縁・感謝という幸福の種。ここに来てようやくこのウニの仕事が天から自分に与えられた「天職」だと悟りかけております。これも長きにわたり、またご愛顧賜るお客様あっての当社の仕事であると痛感しております。そして、これまでは卸売専門に全国の各卸売市場への流通のみで販売しておりましたが、これからはグルメなお客様向けに今まで流通させていなかった当社商品を、専属担当者によるマネジメントが可能になりそうなので挑戦させて頂くことになりました。

新しいことへの挑戦で至らぬところもあるかと存じますが、これから、そしてこれからも長いお付き合いをさせていただけたら大変嬉しく思います。

まずは「ありがとうございます」

会社を経営する上で大切にしていること

お客様の喜んでくださる姿をイメージして仕事をするようにと共に働く仲間に伝えています。ウニの仕事に携わって40年以上になりますが、経営者としては何も学ばず考えずに飛び込んでしまった為、あわや沈没の憂き目に何度も遭いながら「土壇場の運」に助けられ、ドキドキハラハラを繰り返してまいりました。しかし、そこで学んだ色々な出来事は(成功も問題も失敗も)経営者である自分の心の映像が現れたものであると理解出来るようになってまいりました。すべての出来事は自分の心の反映であると。例えば心配事ができても平常心でいればいつも平常平安が続く。いつも心が喜んでいればいつの間にか喜び事が訪れる。このことからお客様や従業員が喜ぶイメージを持つことが一番大事と考えるに至りました。自分の心にイメージを植え付けるためにできることを淡々と行ってまいります。

ジャムおじさんの真似事でおこなっている「おいしくなぁれ!!おいしくなぁれ!!」もそうですが、当社のパート従業員全員(当社では職人さんと呼ぶ)に国の退職金制度に加入してもらっていることも自分の心に皆が「喜ぶ」イメージを植え付ける方法手段とも思っております。そして全従業員にもお客様の喜んでくださる姿をイメージしながら作業してほしいと伝えております。

会社でウニを取り扱う上での大切にしていること

ウニを加工する上で何よりも優先されるべきは「美味しさ」だと考えております。1に鮮度、2に鮮度、3,4も鮮度で5も鮮度です。当社では見かけ(ウニの乾き感 通称:乾き)も大事ですが、より味を求める為ミョウバン(タンパク質凝固の働きを持つ豆腐のニガリのようなもの)は限りなく減らすようにしております。ウニの業界では見かけ(乾き)と日持ちが重視されますが、当社では「美味しいからこそウニ」を合言葉にして、味見を行うことで「大丈夫」と言える製品を世に出せるよう心がけております。

ジャムおじさんさんを師と仰ぐ私が仕事の始まる前の早朝に、秘伝の加工液を「おいしくなぁれ!!おいしくなぁれ!!」と祈りを込めて攪拌するのが秘伝であり習慣です。

代表取締役 ジャm、、市川 和良